
NOCRYは奈良県五條市で、シルクスクリーン印刷の技法を使用した「手刷り」にこだわり、日々「これをシルク印刷で表現できないだろうか?」を考え、ものづくりをしている。
時代をよく観察すれば、伝統や人力による行為の居場所が、日毎に狭小となっている事に気づく。精度だけを見れば、機械には及ばないかもしれないが、この目と頭、この手を使い、「機械以上」を作りだすことを目指し鍛錬している。
手刷りでのシルクスクリーン印刷は、オンデマンド印刷やインクジェット印刷、機械でのスクリーン印刷と比べ、ミリ単位での小さなズレや滲みが起こりやすい印刷技法である。
しかし、この手刷りにおける、過程や作業プロセス自体に「一回性」を纏う。
これは欠陥ではなく、手刷りの「価値」であり「質」であるとわたしは思う。
完璧であることを目指す機械とは違い、わたしは手刷りという行為に、文学性を感じている。また、それが纏う「一回性」は、人間の作り出すものの色気だと考えている。
わたしは、印刷に、肝要を込めることが出来ると信じ、今日も手を動かす。
@nocry_print